高血圧について
診断基準
15分程度の安静後、座った状態で測った上腕の血圧(診察室血圧)が、最高(収縮期)血圧140mmHg以上、または最低(拡張期)血圧90mmHg以上のいずれかを超える場合を高血圧といいます。
ご自宅で測る場合(家庭血圧)は、起床後トイレを済ませ、朝食前に座って安静にした状態で測定してください。この場合は最高血圧135mmHg以上、最低血圧85mmHg以上を高血圧の基準とします。
自覚症状
高血圧そのものにはほとんど自覚症状がありません。頭痛、肩こり、顔のほてりといった形で気づくことがある方もいますが、脳血管障害などの合併症が起こらない限り、症状が出ないまま進行することがほとんどです。定期的な血圧測定が、唯一といってよい発見の手がかりになります。
治療方針(生活習慣の改善)
最新の高血圧治療ガイドライン(JSH2025)では、多くの方で目標を診察室血圧130/80mmHg未満(家庭血圧125/75mmHg未満)とし、生活習慣の改善を治療の基本としつつ、効果が不十分なら早めに薬物治療へ進むことが推奨されています。生活習慣改善の柱は次のとおりです。
- 減塩:食塩摂取量を1日6g未満に
- 野菜・果物を積極的に摂る(腎臓病治療中の方は主治医にご相談ください)
- 適正体重の維持、有酸素運動の習慣化
- 節酒、禁煙
当院では『薬じゃない高血圧治療・スマート降圧療法』にも取り組んでいます。

スマートフォンを利用して正しい生活習慣の定着を目指し、通院時に医師よりアドバイス受けながら降圧する新たな治療法です。気になる方は診察の際、医師にご相談ください。
生活習慣を改善しても目標に届かない場合
1か月程度、生活習慣の改善に取り組んでも血圧が目標まで下がらない場合は、生活習慣の改善を続けながら降圧薬による治療を開始します。血圧が高いほど、また糖尿病や心臓・腎臓の病気を合併しているほど、薬物治療を先延ばしにしないことが重要とされています。自己判断で服薬を中断せず、医師の指示に従ってください。
動脈硬化と合併症(脳血管性認知症など)
高血圧は自覚症状がないまま血管の壁に負担をかけ続け、動脈硬化を進行させます。 その結果として、脳卒中(脳梗塞・脳出血)、心筋梗塞、心不全、腎不全(人工透析)などを引き起こすことがあります。 特に脳の細い血管の動脈硬化は、血流の低下や小さな脳梗塞の積み重ねを招き、脳血管性認知症の最大の危険因子の一つとされています。 血圧をしっかり管理することは、将来の認知症予防にもつながります。
